「経営情報システム」用語集、まずはここを押さえていく

6. 経営情報システム

中小企業診断士の「経営情報システム」を勉強する上で覚えておくべき用語について、試験概要からピックアップ+α しました。

情報通信技術に関する基礎的知識

(1) 情報処理の基礎技術(コンピュータの基礎)

用語 意味・ポイント
コンピュータの5大装置 入力装置・出力装置・記憶装置・演算装置・制御装置。ハードウェア構成の基本セット。
CPU コンピュータの「頭脳」。演算装置と制御装置からなり、命令の解釈と実行を行う。
レジスタ CPU 内の超高速で小容量の記憶領域。一時的なデータやアドレスを保持する。
クロック周波数 CPU が動作するリズム(1 秒間のクロック数)。高いほど基本的には処理速度が高い。単位は Hz。
マルチコア CPU 1つのパッケージに複数のコアを持つ CPU。並列処理により性能向上を図る。
記憶装置の階層構造 上からレジスタ → キャッシュメモリ → 主記憶装置 → 補助記憶装置。上に行くほど高速だが高価・小容量。
キャッシュメモリ CPU と主記憶の間に置く高速メモリ。よく使うデータを置き、主記憶アクセスを減らして高速化する。
ヒット率 参照要求のうち、キャッシュで済んだ割合。平均アクセス時間=ヒット率×キャッシュ時間+(1−ヒット率)×主記憶時間。
RAM 電源を切ると消える読み書き可能メモリ。作業領域。主記憶として使用。
ROM 読み出し専用もしくは書き込み頻度が低い不揮発性メモリ。BIOS などの格納に利用。
DRAM / SRAM DRAM は大容量・安価だが遅い、主記憶用。SRAM は高速だが高価、キャッシュ用。
フラッシュメモリ 電源を切っても内容が消えない半導体メモリ。USB メモリ・SSD などに利用される。
ハードディスク 磁性体ディスクにデータを記録する補助記憶装置。プラッタ・シリンダ・トラック・セクタといった構造を押さえる。
仮想記憶 補助記憶装置を主記憶のように見せかける仕組み。アドレス空間を拡大できるが、ページングによる性能劣化に注意。
インタフェース 機器間・ソフト間の接続仕様や境界。ハードウェアインタフェース(USB 等)とソフトウェアインタフェース(API 等)がある。
シリアル伝送 1 本の線でビットを順番に送る方式。USB、シリアル ATA、各種無線など。長距離・高速向き。
パラレル伝送 複数線でビットを同時に送る方式。かつてのパラレル ATA やプリンタポートなど。短距離・高スループット向き。
無線インタフェース Wi-Fi、Bluetooth など。周波数帯や用途の違いに注意。
ソフトウェアの分類 OS(基本ソフト)、ミドルウェア、アプリケーションソフトに大別。試験では役割の違いが頻出。
OS(オペレーティングシステム) ハードウェアを隠蔽し、アプリケーションに基本サービスを提供するソフト。Windows、Linux など。
ミドルウェア OS とアプリケーションの間で共通機能を提供するソフト(DBMS、Web サーバ、TP モニタ等)。
マルチタスク 複数のプログラムを見かけ上同時に動かす OS の機能。CPU の時間を細かく切り替えて実現。

(2) 情報処理の基礎技術(プログラム言語)

用語 意味・ポイント
低水準言語 機械語・アセンブラなど、ハードウェアに近い言語。処理は速いが可読性が低い。
アセンブラ言語 ニーモニック(ADD 等)で機械語を表現した言語。ハードウェア制御向き。
言語プロセッサ 高水準言語を機械語に変換するコンパイラ/インタプリタ等の総称。
コンパイラ ソースを一括して機械語に翻訳し、実行ファイルを生成する方式。実行は高速。
インタプリタ 1行ずつ解釈しながら実行する方式。移植性・対話性は高いが実行速度は遅め。
手続き型言語 命令を順番に記述するタイプの言語。C、COBOL、FORTRAN、BASIC など。処理手順に着目。
非手続き型言語 「何をしたいか」を記述する言語。SQL など。処理手順はシステム側に任せる。
COBOL 事務処理向きの手続き型言語。帳票処理・バッチ処理に強い。
C 言語 汎用性・移植性が高く OS や組込みで多用。ポインタ操作などハードに近い制御が可能。
FORTRAN 科学技術計算向けの言語。数値計算やシミュレーションで利用。
BASIC 初学者向けの簡易な言語。教育用途など。
C++ C にオブジェクト指向を追加した言語。大規模システムやゲーム等で使用。
Java プラットフォームに依存しにくいオブジェクト指向言語。Web アプリや業務系で広く利用。
第4世代言語(4GL) ユーザが対話的に使える高水準言語。代表例は SQL。帳票・検索系など生産性重視。

(3) 情報処理システムと関連技術(システム構成)

用語 意味・ポイント
OLTP Online Transaction Processing。オンラインで少量のトランザクションを頻繁に処理する形態。販売・予約システムなど。
バッチ処理 一定量のデータをまとめて処理する方式。夜間バッチなど。処理タイミング・最新性がポイント。
トランザクション 「一連の処理のかたまり」。すべて成功するか全部失敗(ロールバック)するかの単位(ACID 特性)。
集中処理 1台の大型コンピュータで処理を集中して行う形態。管理しやすいが負荷集中・柔軟性に欠ける。
クライアントサーバシステム 役割をクライアントとサーバに分けて処理する構成。分散処理の基本モデル。
2階層 C/S クライアント(画面+ロジック)と DB サーバの2階層。クライアントに負荷が集中しやすい。
3階層 C/S プレゼンテーション層、アプリケーション層、DB 層に分ける構成。変更容易性・スケーラビリティに優れる。
Web システム HTTP/ブラウザを前提としたシステム。3階層構成と関連してよく出題。
仮想化 物理資源(サーバ・ストレージなど)を論理的に分割・統合して提供する技術。サーバ集約やクラウドの基盤。
レスポンスタイム リクエストから最初の応答が返るまでの時間。ユーザ体感性能を表す指標。
ターンアラウンドタイム 処理要求の投入から処理完了までの総時間(待ち時間+実行時間)。バッチ処理の評価で重要。
スループット 単位時間あたりに処理できる件数やデータ量。システム性能の代表指標。
RAS Reliability(信頼性)・Availability(可用性)・Serviceability(保守性)。システム信頼性評価の3つの観点。

(4) データベース

用語 意味・ポイント
マスタファイル 顧客・商品など、比較的変化の少ない基礎データを保持するファイル。
トランザクションファイル 受注・売上など、日々発生する取引データを保持するファイル。
テキストファイル 人間が読める文字列で構成されたファイル。
バイナリファイル 文字列ではなくバイナリ形式で保存されたファイル。プログラムや画像など。
拡張子 ファイル名の末尾につく種類を示す記号(.txt, .csv など)。アプリケーションとの関連付けに使われる。
フォルダ OS 上でファイルを階層的に管理する入れ物。ディレクトリとも呼ぶ。
パス フォルダ名とファイル名を連ねたもの。ファイルの場所を一意に指定する。
可変長ファイル 1行ごとに長さが異なるテキストファイル。カンマやタブで区切られる。
固定長ファイル 各レコードの長さが一定のファイル。位置で項目を識別する。
CSV ファイル 区切り文字がカンマの可変長テキストファイル。アプリ間データ交換で頻出。
文字コード 文字と数値の対応を定めた規格。JIS・Shift JIS・EUC・Unicode など。
画像ファイル形式 BMP・JPEG・GIF など。圧縮方式や透過の有無が違う。
DBMS DataBase Management System。データベースを一元管理し、複数ユーザからの利用を制御するソフト。
データベース導入のメリット データの一元管理・同時利用・整合性確保・セキュリティ向上など。
リレーショナルデータベース 表(テーブル)と表間の関係(リレーション)でデータを表す DB。RDB と略。
主キー レコードを一意に識別する項目。NULL 不可・重複不可が原則。
外部キー 他テーブルの主キーを参照する項目。表間の参照整合性を保つ。
正規化 データの重複や更新異常をなくすために表を分割・整理する手法。
第1正規形 繰り返し項目を排除し、すべての項目が単一値になるように分解した形。
第2・第3正規形 部分関数従属・推移的関数従属を排除した形。試験では「非キー項目は主キーの全体に、かつ直接従属」がキーワード。
SQL Structured Query Language。RDB を操作する標準言語。
DML(SQL) SELECT・INSERT・UPDATE・DELETE など、データ操作のための命令群。
SELECT 文 検索命令。SELECT ~ FROM ~ WHERE ~ が基本構文。

(5) 通信ネットワーク・インターネット

用語 意味・ポイント
通信速度 bps(bit per second)で表す。64kbps=64,000 ビット/秒。
WAN / LAN WAN は広域網、LAN は構内網。距離・管理主体・技術が異なる。
トポロジ ネットワークの配線形態。バス型・スター型・リング型など。
10BASE-T 10Mbps、ツイストペアケーブル、スター型トポロジという Ethernet 規格。
NIC(ネットワークインタフェースカード) コンピュータをネットワークに接続するための拡張カード。MAC アドレスを持つ。
ハブ 多数の端末を接続する集線装置。単純ハブはブロードキャスト、スイッチングハブはフレームを振り分ける。
カスケード接続 ハブ同士を接続してポート数を増やす方法。段数制限に注意。
ルータ 異なるネットワーク間でパケットを中継し、経路選択を行う装置。IP アドレスに基づき転送。
プロトコル 通信のルール・手順。異なる機器間でのデータ交換を可能にする取り決め。
TCP/IP インターネットの基盤となるプロトコル群。IP が配送、TCP が信頼性の高い通信を担当。
OSI 基本参照モデル 7階層の通信モデル。物理~アプリケーションまで。試験では TCP/IP との対応を問われる。
IP アドレス ネットワーク上で機器を識別する番号(IPv4 は 32bit)。グローバルとプライベートに区別。
ドメイン名 www.example.com のような文字列。DNS により IP アドレスと相互変換される。
DNS Domain Name System。ドメイン名と IP アドレスを対応付ける仕組み。
グローバル / プライベート IP インターネットで一意な IP がグローバル、LAN 内でのみ有効なのがプライベート。
ポート番号 TCP/UDP がアプリケーションを識別する番号。HTTP=80 等、よく出る標準ポートは暗記。
HTTP Web ページを送受信するためのアプリケーションプロトコル。ステートレスが特徴。
FTP ファイル転送に使うプロトコル。制御用・データ用の2つの接続を持つ。
WWW World Wide Web。インターネット上で Web ページを参照する仕組み。
Web サーバ ブラウザからの要求に応じて HTML などを返すソフトウェア。Apache・IIS 等。
HTML Web ページを記述するマークアップ言語。タグで見出し・リンク・画像等を表現。
メールプロトコル 送信:SMTP、受信:POP/IMAP。3つの組合せを押さえる。

(6) 情報セキュリティ・システム評価

用語 意味・ポイント
セキュリティリスク 盗聴・不正侵入・改ざん/破壊・コンピュータウィルスなど。リスクの種類を列挙できるようにする。
コンピュータウィルス 自己増殖機能などを持ち、システムに被害を与える不正プログラム。ワーム・トロイの木馬なども押さえる。
セキュリティポリシー 企業の情報セキュリティに関する基本方針を文書化したもの。全体方針 → 対策基準 → 手順書の階層構造。
ワンタイムパスワード 1回ごとに異なるパスワードを用いる方式。盗聴されても再利用されにくい。
バイオメトリクス認証 指紋や虹彩など身体的・行動的特徴に基づく認証方式。なりすまし耐性が高い。
アクセスコントロール ユーザの権限に応じてシステム・データへのアクセスを制御する仕組み。アクセス制御リスト(ACL)など。
ファイアウォール 外部ネットワークと内部ネットワークの境界で不正アクセスを防ぐ装置/ソフト。
パケットフィルタリング パケットの IP アドレスやポート番号などで通過可否を判断する仕組み。
MDM Master Data Management。組織全体でバラバラに管理されがちなマスタデータを一元管理する仕組み。
システム性能 レスポンスタイム・スループット・同時接続数などで評価。試験では定義の違いを問われやすい。
システム信頼性 MTBF(平均故障間隔)や稼働率などで評価。可用性向上のために冗長化構成が使われる。

経営情報管理

(1) 経営戦略と情報システム(経営と情報システム)

用語 意味・ポイント
BPR Business Process Re-engineering。ビジネスプロセスを抜本的に再設計し、情報システム活用も含めて改革する取り組み。
CIO Chief Information Officer。情報戦略担当役員。経営戦略と情報戦略を橋渡しする責任者。
TCO Total Cost of Ownership。システム導入から運用・保守まで含めた総コスト。初期費用だけでなくランニングも含めて評価。
アウトソーシング システム開発・運用などを外部事業者に委託すること。コスト削減・専門性活用が目的。
ASP Application Service Provider。インターネット経由で業務アプリを提供する事業者/サービス。利用側は月額課金で利用。
オフショア開発 システム開発を海外企業に委託すること。人件費の安さで開発コストを抑えられるが、品質管理・コミュニケーションに注意。
SLA Service Level Agreement。アウトソーシング等で提供されるサービスの範囲・品質を明文化した合意書。
ERP Enterprise Resource Planning。基幹業務(販売・会計・在庫など)を統合管理するパッケージ。
ERP 導入の留意点 ビジネスプロセスの見直しが前提、アドオン開発(カスタマイズ)コストに注意。
BI Business Intelligence。蓄積データを分析し意思決定に活用する仕組みやツール群。
データウェアハウス 基幹系で発生したデータを主題別・時系列に蓄積した分析用データベース。
データマート 部門別・テーマ別に切り出した小規模なデータウェアハウス。
OLAP Online Analytical Processing。多次元分析を行う仕組み。ドリルダウン・スライシング・ダイシングなどの操作がキーワード。
MDM(経営) マスタデータを全社視点で一元管理し、ERP・CRM 等で整合性のとれたデータ利用を可能にする仕組み。

(2) 情報システム開発

用語 意味・ポイント
システム開発プロセス 企画 → 要件定義 → 外部設計 → 内部設計 → プログラミング → テスト → 移行・導入 → 保守の流れを押さえる。
ウォーターフォール型 上流から下流へ工程を一方向に進める開発手法。仕様変更に弱い。
プロトタイプ型 試作品(プロトタイプ)を作りつつ要求を明確化する手法。ユーザ要件が不明瞭なときに有効。
スパイラル型 プロトタイプ+リスク分析を繰り返す手法。段階的にシステムを完成させる。
アジャイル開発 短いサイクルで設計・実装・テストを繰返す軽量開発。ユーザとのコミュニケーション重視。
PMBOK Project Management Body of Knowledge。プロジェクトマネジメントの知識体系。スコープ・コスト・品質など10 知識エリア。
スコープマネジメント プロジェクトで「何を・どこまで」実施するかを定義・管理する活動。要求の追加・変更管理がポイント。
WBS Work Breakdown Structure。作業を階層的に分解した成果物・作業一覧。見積や進捗管理の基礎。
EVMS Earned Value Management System。出来高管理。PV・EV・AC を用いてコスト・スケジュールの偏差を分析。
ファンクションポイント法 画面数・帳票数などの機能規模から工数・コストを見積もる手法。
RFP Request For Proposal。ベンダに対して提案を依頼するための文書。目的・要求機能・条件などを記載。
POA Process Oriented Approach(処理中心アプローチ)。フローチャートなど、処理手順ベースでモデリング。
DOA Data Oriented Approach(データ中心アプローチ)。ER 図など、データ構造に着目したモデリング。
OOA Object Oriented Analysis。オブジェクト指向による分析。UML などの表記が使われる。
カプセル化 データとその操作を1つのモジュール(オブジェクト)にまとめ、外部からの直接参照を制限する考え方。
モジュール プログラムを構成する独立性の高い部品。結合度は弱く、凝集度は高いのが望ましい。
CASE ツール Computer Aided Software Engineering。設計~テストなどの工程を自動化・支援するツール群。
単体テスト プログラムの最小単位(モジュール)ごとのテスト。
結合テスト モジュール間のインタフェースや連携を確認するテスト。
システムテスト システム全体として要求どおり動くか確認するテスト。
検収テスト(受入テスト) ユーザ側が実施し、契約どおりの性能・機能が満たされているかを確認するテスト。
ホワイトボックステスト プログラム内部構造を考慮してテストケースを設計する手法。
ブラックボックステスト 外部仕様のみからテストケースを設計する手法。境界値分析・同値分割などが有名。

(3) 情報システムのマネジメント・統制・法令

用語 意味・ポイント
IT ガバナンス 経営戦略と整合した形で IT 投資・運用を統制する仕組み。内部統制やシステム監査と関連。
IT 統制 財務報告の信頼性確保のための統制。全社的 IT 統制と業務処理プロセス統制などに分類。
システム監査 情報システムが適切・安全・効率的に運用されているかを第三者的立場で検証する活動。
ISMS Information Security Management System。情報セキュリティマネジメントシステム。PDCA による継続的改善がポイント。
電子帳簿保存法 電子データで帳簿や書類を保存する際の要件を定めた法律。タイムスタンプ・改ざん防止などが条件。
不正アクセス禁止法 不正アクセス行為そのものを禁止する法律。ID・パスワードの不正取得・利用などが対象。
個人情報保護法 個人情報の適切な取扱いを定めた法律。利用目的の特定・安全管理措置・第三者提供の制限など。

(4) Web アプリケーションとサービス

用語 意味・ポイント
Web の3階層構成 クライアント(ブラウザ)・アプリケーションサーバ・DB サーバの3層構成。
サーバサイドアプリケーション Web サーバ側で実行されるプログラム。ASP・JSP・PHP など。処理結果だけをブラウザに返す。
クライアントサイドアプリケーション ブラウザ上で実行されるプログラム。JavaScript 等。画面の動きや入力チェックに利用。
CGI Common Gateway Interface。Web サーバから外部プログラムを呼び出す仕組み。
JavaScript Web ページに動きや機能を付与するスクリプト言語。HTML に埋め込んで使用。
マークアップ言語 タグを用いて文書の構造や見た目を記述する言語。HTML・XML など。
XML Extensible Markup Language。タグを独自定義できるメタ言語。システム間データ交換で利用。
Web サービス インターネット上に分散したアプリケーション同士を連携させる仕組み。
Web サービスを構成する技術 XML・SOAP・WSDL・UDDI の4つ。名称と役割をセットで覚える。
SOA Service Oriented Architecture。サービス(機能)を部品化し、組み合わせてシステムを構成するアーキテクチャ。

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