【はじめに】
最近、いい感じの勉強法の本がたくさん出版されています。過去に読んだ本とこれらのエッセンスを改めて整理すると、それらが一本筋も通っていて、「本当に最強の勉強法」が見えてきた気がします。
※この記事の内容は、私自身がここ数年で読んできた勉強法・記憶術・休息法・勉強の哲学に関する本を、読書ログとしてまとめてきたものを再統合した“現時点のベスト版”です。
「ずるい暗記術」「科学的根拠に基づく勉強法」「最強の休息法」「勉強の哲学」「最強の独学術」など……
それぞれは独立した本ですが、視点をそろえて1つのフレームに並べ直すと、とんでもなく強力な“勉強システム”が見えてきます。
しかも、それは「若い人だけのもの」ではありません。
どんな人でも、「まだここから伸ばせる」と素直に思える内容でした。
この記事では、それらを統合した 「本当に最強の勉強法」 を、
マインドセットと目標設定
学習サイクル(インプット&アウトプットと「あたりまえ化」)
時間管理と休息(効率化&コンディション)
哲学としての勉強(自己破壊と変身)
という4つの柱で整理してみます。
1. マインドセットと目標設定──何のために勉強するのか
1-1. ゴールは「理解」ではなく「合格」でいい
資格試験や受験に関しては、
**「理解すること」よりも「合格すること」**をゴールにしてよい、という割り切りがあります。
最初から完璧に理解しようとしなくていい
とりあえず過去問を回し続けているうちに、あとから理解はついてくる
ゴールは「わかった気がする」ではなく、「合格通知が届く」こと
これは、「勉強=人格陶冶」というきれいな話からするとやや乱暴に聞こえます。
でも、資格勉強としては極めて現実的で、メンタル的にもラクです。
「理解は結果としてついてくる。今は合格のためだけに動く」
と腹を決めてしまうと、迷いが減ります。
1-2. 「独学1.0〜3.0」で、自分の勉強モードを決める
勉強には大きく3つのモードがある、という考え方がしっくりきました。
独学1.0:資格・試験のための短期決戦モード
合格一点突破。とにかく点数が上がることに集中。独学2.0:教養・仕事の幅を広げるモード
本を読み、試し、考え、仕事や人生の選択肢を増やす。独学3.0:一生学び続ける基盤づくりモード
社会やテクノロジーの変化に対応し続けるための「学び方」を磨く。
今、自分がどのモードで勉強しているのかがボヤッとしていると、
「もっと理解しなきゃ」と思いながら過去問を回す
「点数にならないけど面白い本」に逃げる
といった迷走が起きます。
逆に、
「この1年は診断士合格が最優先。だから独学1.0モード全振り」
などと決めてしまうと、何を切り捨てていいかも見えるようになります。
1-3. 目標は「有限化」して「見える化」する
やるべきことは無限にあるように見えますが、
無限に向かって歩こうとすると、一歩も進めなくなります。
だからこそ、
まずは「やる範囲」を決めてしまう(有限化)
「いつ」「どのレベルまで」を紙に書いて掲示する(見える化)
できれば周りに「今年はこれを取る」と宣言してしまう(公言)
という3点セットで、心理的に逃げ道を減らす仕掛けが必要です。
2. 学習サイクル──インプット&アウトプットと「あたりまえ化」
次は、「どう勉強するか」の中枢部分です。
2-1. 勉強の基本動作は「読む → 思い出す → 語る」
科学的な研究や記憶術の本を総合すると、
最強の学習サイクルはものすごくシンプルです。
読む(インプット)
何も見ずに思い出す(アクティブリコール)
自分の言葉で説明してみる(自己説明/人に教える)
特に大事なのは「2」の思い出すトレーニング。
読んでいるときには「わかった気」がする
でも、何も見ないと案外出てこない
そこで「うーん…」と頭をひねる時間こそが記憶のトレーニング
という構造になっています。
2-2. 「答え先行」で疑問を作ってから読む
効率重視のやり方として、
まず問題集や過去問を先に見る
「何がわからないか」「どこが怪しいか」をハッキリさせる
そのうえで参考書に戻る
という**「答え→問題→参考書」ルート**も印象的でした。
これは感覚的には気持ち悪いのですが、
ただ教科書を読むよりも、「ここがさっき引っかかったところだ」と思いながら読むほうが、圧倒的に頭に残る
という意味では合理的です。
2-3. 過去問は「解ける」ではなく「あたりまえ化」する
資格試験では、最終的に**「過去問をどれだけ“つぶせたか”**」が勝負を分けます。
ここでいう「つぶす」は、
解説を見ないでも正解できる
なぜ他の選択肢がダメなのかも、サラッと言える
「こんな問題、聞くまでもないでしょ」と思えるくらいまで落とし込む
という、“あたりまえ”の状態まで持っていくことです。
バロメータは「正解率」ではなく、
どれだけ速く、迷いなく答えに辿り着けるか(スピード)
です。
2-4. 「短い時間×回数×勉強量」の公式
記憶の定着については、
複数の本がそろって同じことを言っています。
記憶力 ≒ 短い時間 × 回数 × 勉強量
1回で2時間やるより、20分×6回のほうが定着しやすい
1日で完結させるより、数日に分けて何度も触れるほうが強い
忘れることを前提に、「忘れた分だけ取りに行く」イメージ
「分散学習」「間隔をあけた復習」というやつですね。
2-5. ノートは「きれいにまとめるため」ではなく「頭を空けるため」
ノートについてのスタンスも、いい意味で割り切っていて、
ノートは「きれいにまとめ直す」ためのものではない
ワーキングメモリ(短期記憶)の負荷を下げるために、
頭の中に散らばった思考やイメージをいったん外に出すための道具
と捉え直します。
なので、
きれいに清書しない
誰に見せるでもない前提で、メモ的にガシガシ書く
大事なものだけ別紙/別アプリに転載する
くらいのラフさでちょうどいい。
3. 時間管理と休息──効率化&コンディションも勉強の一部
ここからは、「勉強の仕方」ではなく、「勉強できる状態づくり」の話です。
3-1. 「1日10分」をナメない
時短術の本で何度も出てくるのが、
「1日10分のムダ」が10年続くと、とんでもない差になる
という話。
1日10分 × 365日 = 3,650分 ≒ 60時間
10年で約600時間
600時間というと、
「1日3時間 × 200日」と同じです。
つまり、「1年分の勉強時間」がどこかへ消えています。
これを逆に使い、
スマホやSNSから「1日10分だけ取り返す」
その10分を、過去問1問+解説を読む時間に変える
だけでも、数年単位で見るとエグい差になります。
3-2. 集中力の単位を「20〜25分」で設計する
人間が高い集中状態を保てるのは、ざっくり20〜25分と言われます。
ポモドーロ・テクニックみたいなやつですね。
なので、
「25分集中+5分休憩」を1セットと決める
勉強時間をこのセット数でカウントする
休憩も「前もって予定しておく」
ことで、「ダラダラ長時間やっているのに頭に入らない」という沼から抜け出しやすくなります。
3-3. 睡眠と暗記をセットで設計する
暗記術と休息法が共通で言うのは、
暗記のゴールデンタイムは「寝る前」と「起きてすぐ」
記憶は寝ている間に整理される
だからこそ「寝る直前に覚えたものを、翌朝もう一度思い出す」サイクルが強い
ということです。
夜:その日に覚えたいことの「ダイジェスト」を5〜10分だけ見る
朝:何も見ずに、昨夜のダイジェストを思い出してみる
これだけでも記憶の定着がかなり変わります。
3-4. やる気がない日は「ベイビーステップ」でいい
どの本も共通しているのは、
「やる気がないから今日はゼロ」が、実はいちばん危険
だということ。
やらない日が続く
「やらないのが普通」になってしまう
再開するときに大きなエネルギーが必要になる
という悪循環に入ります。
なので、やる気ゼロの日は、
テキストを開いて1ページ読むだけ
過去問を1問だけ解く
語句カードを3枚だけ見る
など、「これならできる」というベイビーステップだけをやって終わりでOK、と決めておく。
この「ゼロにしない工夫」が、長期戦では効いてきます。
4. 哲学としての勉強──自己破壊と変身のサイクル
最後は、少し哲学寄りの話です。
4-1. 勉強とは「今の自分のノリ」を一度壊すこと
『勉強の哲学』では、勉強を、
「今の環境のノリから一度はみ出して、別の言葉やものの見方を身につける行為」
として捉えています。
いつもの言葉遣い
いつものニュースソース
いつもの人間関係
から一歩外に出て、
まったく別のルール・別の前提の世界に浸る。
一時的には居心地が悪くなりますが、
戻ってきたときには**「少し別の角度から世界を見られる自分」**になっている。
この「自己破壊→再構成」のサイクルこそが、
中長期的な意味での勉強の本質なのだと思います。
4-2. 「違和感」をちゃんと拾う
新しい分野の本を読んだとき、
あるいは、新しい職場やコミュニティで会話しているとき、
「なんでこの人たちは、わざわざこんな言葉を使うんだろう」
「これを“当たり前”と言うのは、ちょっと乱暴じゃないか」
といった、言葉への違和感を覚えることがあります。
この違和感を無視せず、
メモしておいたり、考え続けたりすることが、
「自分なりの考え」を育てる土壌になります。
4-3. 専門書と一般書のバランスを取る
学びを深めるときには、
SNSやニュースサイトの断片情報
読みやすいビジネス書・一般書
数式や文献だらけの専門書
のバランスも重要です。
「勉強としての読書」は、
入口:一般書でざっくり全体像を掴む
中核:専門書・入門書を数冊読み比べる
検証:また一般書や実務に戻って、「本当にそうか?」と確かめる
というサイクルを回していくイメージに近いです。
5. だれでも「まだ伸びる」と思える理由
ここまで書いてきた勉強法は、
正直、20代・30代向けの本から拾ってきたエッセンスも多いです。
ただ、ここまで本気で整理してみて感じるのは、
「これは年齢に関係なく、そのまま使えるどころか、むしろ“40〜60代”にこそ効くかもしれない」
ということです。
仕事や家族の事情で「時間」と「エネルギー」は若い頃よりシビアになる
だからこそ、「1日10分」「25分集中」「睡眠と勉強をセットで考える」といった発想が効いてくる
勉強が「昇進のため」から、「自分の人生を面白くするため」にシフトしていく
このフェーズで、
「科学+経験+哲学」が混ざった勉強システムを持てるのは、かなりのアドバンテージだと思っています。
6. 具体的な“次の一歩”の提案
この記事を読んだ「今」から、
現実的にできる一歩を、あえて3つに絞っておきます。
ゴールを書き出して、見えるところに貼る
例)「2026年○月 中小企業診断士合格」「2025年中に○○の専門書を3冊読む」
1日10分のスキマを“思い出す時間”に変える
通勤中に一問一答アプリ
コーヒータイムに昨日の要点だけをメモから見返す
今日から「寝る前3分+朝5分」の暗記サイクルを試す
寝る前に、覚えたいことをサッと眺める
朝に、何も見ずに思い出してみる
これだけでも、数週間〜数ヶ月で手応えが変わってくるはずです。
おわりに
ここまで書いてきた「最強の勉強法」は、
どこかに売られている“新しいメソッド”ではなく、
暗記術
科学的勉強法
時短術・休息法
勉強の哲学・独学術
といった、バラバラな本たちを、
自分の人生・自分の年齢・自分の目的に合わせて再構成したものです。
正直、この再構成の「ヤバさ」は、
実際に読んできた自分にしか分からないかもしれません。
それでもなお、これは共有する価値のある設計図だと思っています。
どこから取り入れるかは人それぞれですが、
もし何か一つでも「これなら今日からできそうだ」と思えるものがあれば、
そこからぜひ試してみてください。
そしてまたどこかで、
「この設計図をさらにアップデートするバージョン2.0」を一緒に作れたらうれしいです。
この記事でベースにした8冊
『ずるい暗記術―――偏差値30から司法試験に一発合格できた勉強法』
著者:佐藤 大和『ハーバード×MBA×医師 働く人のための 最強の休息法』
著者:猪俣 武範『時短術大全』
著者:生産性改善会議(編)『勉強の哲学 来たるべきバカのために』
著者:千葉 雅也『最強の独学術 自力であらゆる目標を達成する「勝利のバイブル」』
著者:本山 勝寛『図解でわかる 暗記のすごいコツ 誰でも確実に結果が出せる35のテクニック』
著者:碓井 孝介『科学的根拠に基づく最高の勉強法』
著者:安川 康介『どんな人でも1番結果が出る勉強法 合格は「あたりまえ化」の法則』
著者:宇都出 雅巳
著者の皆さん、素晴らしい知識・ノウハウをありがとうございました。この場を借りてお礼を申し上げます。
おまけ
このページのマインドマップをAI(Mapify)で作りました。
もしよかったらご利用ください。


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