ぼんやりした動機から「個人ラボ」サイトを設計するまでの6ステップ
はじめに:サイトづくりは“気持ち”から始まる
個人サイトをつくろうとするとき、最初から立派なコンセプトを持っている人は多くありません。
たいていは、
-
このまま埋もれさせるには惜しい知識がある
-
自分の考えをどこかにストックしておきたい
-
将来の独立やコンサル業の“母艦”になる場所がほしい
といった、ぼんやりしたモチベーション からスタートします。
marketing-ai.biz も、まさにそのタイプです。
そこで本記事では、
「ぼんやりした動機」 → 「サイトコンセプト」 → 「具体的なメニュー構成」
という流れを、実際に行った作業プロセスとともに 6ステップ に整理してみます。
自分のサイト設計にも、そのまま流用できるフレームになるはずです。
全体フレーム:6つのステップ
まず、迷走しないように全体の枠組みを先に決めました。
サイト設計では、次の6ステップで考えると整理しやすくなります。
-
Why:モチベーションを言語化する
-
Who:誰のためのサイトかを決める
-
What(役割):サイトの“役割ラベル”を決める
-
What(中身):扱うテーマを整理し、カテゴリ構成に落とす
-
How:ページタイプとナビゲーションを設計する
-
Run:運営ポリシーと成長ロードマップを描く
このフレームに沿って、marketing-ai.biz をどのように形にしていったのかを見ていきます。
STEP1:Why
marketing-ai.biz のモチベーションを言語化する
はじめに行ったのは、「なぜこのサイトを作るのか?」を言葉にする作業です。
完璧な一文を目指さず、まずは箇条書きから始めました。
1. 仕事としての目的
仕事面では、主に次のような狙いがあります。
-
データ分析・AI・マーケティングに関する知識や経験を、外から見える形でストック しておきたい。
-
将来的に、コンサルティングや研修などへ展開できる“土台” を用意しておきたい。
-
どのような思考プロセスで仕事をしているかを示す、「思考のアーカイブ」 を残したい。
このように整理すると、「仕事としての意味」がかなりはっきりしてきます。
2. 個人としての楽しさ・満足
とはいえ、仕事のためだけに書き続けるのはしんどくなります。
そこで、個人的なモチベーションも意識しておきました。
-
勉強したこと・試したことを アウトプットする場 が欲しい。
-
長年の実務で身についた暗黙知を、言語化トレーニングとして書き残したい。
-
そもそも「書く・整理するのが好き」なので、その欲求を満たしたい。
このような“楽しさの源泉”を認識しておくと、更新が止まりにくくなります。
3. 読者への価値
最後に、「読む側のメリット」も整理しました。
ここが抜けると、単なる自己満足サイトになってしまいます。
-
データ分析やAIをちゃんと使いたい人の 「迷子感」を減らす地図 を提供したい。
-
現場で悩んでいる人に、生々しい実務視点 を届けたい。
-
勉強法やキャリアの考え方も共有し、長期的な学びのヒント にしてもらいたい。
以上をまとめると、現時点のコンセプトは次のようになりました。
marketing-ai.biz は、AI・データ分析・マーケティングの実務知を、
自分自身の思考整理と、未来の読者・クライアントのためにストックしていく「個人ラボ」兼ナレッジベースです。
完全無欠なセンテンスである必要はありません。
現時点の気持ちを素直に表した一文、としておくぐらいがちょうど良いと感じています。
STEP2:Who
誰のためのサイトかを決める
次のステップでは、「誰に向けて書くのか」を大まかに決めました。
ここでターゲットを絞り込みすぎる必要はありませんが、主役となる読者像だけは持っておきます。
1. 第一ターゲット:実務寄りのデータ/マーケ担当者
もっともイメージしているのは、企業内でデータやマーケティングを任されている人たちです。
-
売上やKPIは追っているものの、AIや高度な分析までは手が回っていない。
-
理論と現場がつながっておらず、どこから手を付けるべきか悩んでいる。
-
「とりあえずダッシュボードは作ったが、その先が見えない」と感じている。
こういった人たちが 一歩先の実務に進めるヒント を得られるようにしたい、というのが第一の狙いです。
2. 第二ターゲット:これからAI・データに踏み込みたいビジネスパーソン
次に想定しているのが、AIやデータ活用に興味を持ち始めたビジネスパーソンです。
-
20〜40代くらいで、「AI時代においていかれたくない」と感じている。
-
どこから学び始めればよいのか分からないが、実務で使えるレベルにはなりたい。
-
キャリアシフトやスキルチェンジを検討している。
この層には、「道標」としての役割を持たせたいと考えました。
3. 第三ターゲット:未来のクライアント候補
さらに先のことも考えると、将来のクライアント候補も想定しておいたほうが良さそうです。
-
データ活用やAI活用を外部に相談したいと考えている会社・個人。
-
「どんな考え方で支援してくれる人なのか?」を知りたい人たち。
この人たちに対しては、サイト全体がポートフォリオ兼プロフィールとして機能するように設計していきます。
その結果として、自然な形で相談や案件につながれば理想的です。
STEP3:What(役割)
marketing-ai.biz の「役割ラベル」を決める
ターゲット像が見えてきたら、次はサイトの「種類」を決めます。
つまり、ここはブログなのか、研究ノートなのか、あるいは事業サイトなのか、という話です。
検討した候補は次の通りでした。
-
ブログ
-
技術ノート
-
作品・実績ギャラリー
-
個人研究所(ラボ)
-
事業サイト
最終的には、次のようなハイブリッドな立ち位置に落ち着きました。
「個人ラボ」+「ナレッジベース」+「軽いポートフォリオ」
1. なぜ「がっつり事業サイト」にしなかったのか
ここで悩んだのが、事業色をどこまで出すかという点です。
本業との関係もあるため、いきなり「コンサルやります!」と前面に出すのは避けました。
とはいえ、将来的に事業の母艦に育てる可能性は残しておきたいところです。
そのため、
-
表向きは「知識の発信・整理」をメインの目的とする。
-
Services ページは “こういう相談には乗れます”程度の控えめなトーン にとどめる。
-
具体的な金額や募集文言は、あえて書かない。
というバランスにしました。
このようにしておけば、後から事業色を強めたくなったときにも、段階的に変えていけます。
STEP4:What(中身)
扱うテーマを整理し、カテゴリ構成に落とす
コンセプトと役割が固まったら、いよいよ コンテンツの棚卸し に入ります。
ここでは、先に「書きたいもの」を全部出し、そのあとでカテゴリに整理していきました。
1. 書きたいテーマを洗い出す
主なトピックを並べてみると、次のようになります。
-
データ基盤/Database/DWH
-
Analytics(統計・機械学習・Gセンサー分析・クラスタリング など)
-
AI / ML / LLM(生成AI・プロンプト設計・モデル運用)
-
Strategy(事業戦略・DX戦略・AIとビジネスの橋渡し)
-
Organization(人材育成・チームづくり・マネジメント)
-
Practice & Others(勉強法・資格・キャリア・サイト運営ログ など)
-
Case Studies(実案件・プロジェクトのケース紹介)
こうして一覧にすると、どの領域を厚くしていくべきかが見えてきます。
さらに、このリストを眺めながら、
-
読者から見て直感的に分かるか。
-
長期的に書き続けられそうか。
-
自分の強みがきちんと伝わるか。
という3つの観点でグルーピングしていきました。
2. marketing-ai.biz のカテゴリ構成(実装版)
実際に WordPress 上でメニューを組む段階では、
まず「グローバルナビはできるだけシンプルにする」という方針を決めました。
そのうえで、ナレッジ系コンテンツは 1 つの塊として扱いたかったため、次のような階層構造にしています。
上位メニュー(グローバルナビ)
-
Home
-
Concept / About
-
Services
-
Knowledge
-
Case Studies
-
Blog
-
Contact
「Knowledge」の下にぶら下げるサブカテゴリ
-
Strategy
-
Data / Database
-
Analytics
-
AI / ML / LLM
-
Organization
-
Practice & Others
ここでのポイントは、「Knowledge」を “知識の棚全体をまとめるラベル” にしたことです。
その配下に分野別のメニューをぶら下げることで、
-
初めて来た人は「とりあえず Knowledge を開けば中核コンテンツにアクセスできる」。
-
興味のあるテーマが決まっている人は、サブメニューからダイレクトに飛べる。
という、両方を満たす導線になりました。
さらに、プロジェクトベースの話は「Case Studies」、日々の雑記は「Blog」と役割を分けることで、ページごとの温度感も整理しています。
STEP5:How
ページタイプとナビゲーションを設計する
カテゴリが決まったら、次は ページの種類とナビゲーション を設計しました。
ここをあらかじめ決めておくと、記事を書き始めたときに迷いが減ります。
1. ページタイプ(テンプレート)を決める
marketing-ai.biz では、ページを大きく3種類に分けています。
-
固定ページ
-
Home(トップページ)
-
Concept / About(サイトの目的と運営者紹介)
-
Services(控えめなサービス紹介)
-
-
カテゴリページ
-
Knowledge(配下に Strategy / Data / Analytics / AI / Organization / Practice & Others)
-
Case Studies
-
Blog
-
-
記事ページ
-
解説系(概念整理・How to)
-
事例系(実務ケース紹介)
-
コラム系(考え方・雑記)
-
勉強ログ系(本の要約・資格勉強のメモ)
-
このように「記事の型」を決めておくと、
執筆時には「今回は解説系のフォーマットで書こう」と選ぶだけで済みます。
結果として、更新のハードルがかなり下がります。
2. メニュー・導線の設計(実装版)
さらに、グローバルナビそれぞれの役割も整理しました。
-
Home
-
サイト全体の入口。
-
キャッチコピーと、主要カテゴリ・最新記事への導線を置く。
-
-
Concept / About
-
サイトの目的と、運営者の簡単なプロフィールを掲載。
-
「なぜこのサイトをやっているのか?」が一目で分かるようにする。
-
-
Services
-
将来を見据えたサービス紹介。
-
現時点では「こういう相談なら乗れます」という方針レベルにとどめる。
-
-
Knowledge
-
ナレッジ系コンテンツの入口。
-
配下に Strategy / Data / Analytics / AI / Organization / Practice & Others をサブメニューとして配置する。
-
-
Case Studies
-
実案件・プロジェクトのケース紹介。
-
できる範囲で背景・課題・アプローチ・結果まで整理して書く。
-
-
Blog
-
日々の気づきや雑記、サイト運営ログなど。
-
もう少しカジュアルなトーンで、継続的な更新の“呼吸”をつくる。
-
-
Contact
-
問い合わせフォーム。
-
相談や感想、ちょっとした質問を受け付ける窓口として機能させる。
-
このように役割を分けておくと、
読者は迷わず目的の情報にたどり着けますし、運営側も「どこに何を書くか」で迷わなくなります。
STEP6:Run
運営ポリシーと成長ロードマップを描く
最後のステップでは、どう運営し、どう育てるか を決めました。
ここを軽くでも言語化しておくと、途中でブレにくくなります。
1. 更新ポリシー
まず、更新方針は次のように整理しています。
-
更新頻度
-
目標は月2〜4本。
-
実際には波が出ることを前提に、「細く長く続ける」ことを優先する。
-
-
優先カテゴリ
-
立ち上げ期は Knowledge(特に Analytics / AI)と Practice & Others を厚くする。
-
手元にあるノートやスライドを再編集し、初期ストックを一気に増やす。
-
-
トーン&マナー
-
実務ベースのリアルな話を重視する。
-
数式だけで終わらず、「現場でどう使うか」まで必ず触れる。
-
失敗談やグレーな難しさも、書ける範囲で率直に共有する。
-
このような方針を先に決めておくと、「どの記事から書くか」の優先順位もつけやすくなります。
2. 成長ロードマップ
次に、サイトの成長イメージをフェーズ分けしました。
フェーズ1:ストック期(〜30記事)
-
書きやすいテーマから記事をどんどん溜めていく。
-
勉強会スライドや読書メモなど、既存の素材を再編集して公開する。
-
この段階で、カテゴリ名やメニュー構成も微調整していく。
フェーズ2:磨き込み期(30〜100記事)
-
アクセス状況や反応を見ながら、人気テーマをシリーズ化する。
-
重要な記事はリライトや図解で分かりやすくしていく。
-
トップページの導線も、実際の読まれ方に合わせてアップデートする。
フェーズ3:展開期(100記事〜)
-
需要の高そうなテーマをまとめ、
-
PDF資料
-
スライド
-
簡易オンライン講座
などへの展開を検討する。
-
-
同時に、Services ページを
「発信ベースのゆるい相談窓口」から
「具体的なサービス紹介」へと段階的にアップデートする。
こうした道筋を描いておくと、
「いまはストック期だから、とにかく書く」「今度は磨き込みフェーズだからリライトに時間を使おう」といった判断がしやすくなります。
まとめ:自分のサイトにフレームを一度通してみる
最後に、marketing-ai.biz の設計プロセスを一行ずつ振り返ってみます。
-
Why
-
実務知と思考のアーカイブを残し、未来の読者・クライアントにも役立つ個人ラボを作る。
-
-
Who
-
実務で悩むデータ/マーケ担当者と、これからAI・データに踏み込みたいビジネスパーソンを主な読者とする。
-
-
What(役割)
-
「個人ラボ」+「ナレッジベース」+「軽いポートフォリオ」という、ハイブリッドな立ち位置にする。
-
-
What(中身)
-
Knowledge を上位カテゴリとし、その下に Strategy / Data / Analytics / AI / Organization / Practice & Others を配置する。
-
-
How
-
固定ページ・カテゴリページ・記事ページというテンプレ構成を決め、グローバルナビを Home〜Contact までシンプルに整理する。
-
-
Run
-
月2〜4本ペースでまず30記事を目指し、その後100記事まで磨き込み、必要に応じてサービス展開につなげる。
-
このフレームは、他のサイトや新しいプロジェクトにもそのまま流用できます。
また、運営途中で迷ったときには、
「どのステップの前提があいまいになっているのか?」
をチェックするリストとしても機能してくれます。
marketing-ai.biz 自体も、この6ステップを土台にしつつ、
今後のコンテンツ量や反応を見ながら、少しずつチューニングしていくつもりです。


コメント