転職面接というと、
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何を話せばいいのか
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志望動機はどう伝えるべきか
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成功体験・失敗談は何を選ぶべきか
など、「自分が何を話すか」に意識が向きがちです。
しかし、合否を決めているのはあくまで採用側の評価軸です。
この「採用側が何を見ているのか」を知らないまま準備してしまうと、頑張って話しても評価ポイントに当たっていないという状態になりがちです。
この記事では、転職サイト各社の調査や採用担当者へのアンケート結果をもとに、doda+1
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採用側が面接で見ている評価軸
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不採用になりやすい理由
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それを踏まえた「成功体験」「失敗談」の話し方
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面接前日のチェックポイント
までを、応募者側の“戦略”として使える形でまとめます。
採用側の本音:面接は「第一印象+人物面」がカギ
転職サービスdodaが中途採用担当者1,000人に行った調査によると、
面接で重視されている13の評価ポイントは、次の通りです。doda
第一印象/身だしなみ/受け答えの仕方/経験/スキル/志望動機/熱意・積極性/誠実さ・素直さ/転職理由/仕事の成果/仕事で工夫・努力したこと/説明力/論理的思考力
さらにリクナビNEXTの調査では、スキルや経験以外にも
**「第一印象」「人柄」「ポテンシャル」「働く意欲」「キャリアの方向性」「転職理由」**が重視されているとされています。リクナビNEXT
ここから分かることはシンプルです。
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面接は「スキル確認の場」であると同時に
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「この人と一緒に働きたいか」を判断する場
でもある、ということです。
第一印象を構成しているもの
「第一印象」というと、顔立ちや雰囲気と思われがちですが、中身はかなり具体的です。リクナビNEXT
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挨拶の仕方(声の大きさ・表情)
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姿勢・座り方・視線
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服装・髪型・清潔感
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質問への最初の一言目
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会話のテンポ・聞き方
ここでつまずくと、その後どれだけいいことを話しても挽回が難しい、というのが採用側の本音です。
面接官は質問で「7つの観点」を見ている
面接官の質問は、ただの雑談ではありません。
多くの場合、次の7つの観点を確認するために組み立てられています。
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志望度・入社意欲
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価値観
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コミュニケーション能力
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実務能力
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向上心・成長意欲
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責任感
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協調性・チーム適性
順番に、「採用側の意図」と「応募者側の準備ポイント」を見ていきます。
1. 志望度・入社意欲
よく聞かれる質問
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「なぜ当社を志望したのですか?」
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「当社のどの事業・サービスに興味がありますか?」
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「当社の課題はどこだと感じますか?」
採用側の意図
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数ある会社の中でなぜうちなのか
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事業内容や競合環境をどこまで理解しているか
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入社後のミスマッチが起きなさそうか
準備のポイント
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「業界に興味」→「なぜこの会社なのか」まで落とし込む
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企業HP・IR資料・社長インタビューなどから
事業の特徴や強みを3つ程度メモしておく -
「前職では実現できなかったことが、この会社なら叶う」
というストーリーを作る
2. 価値観
よく聞かれる質問
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「仕事でやりがいを感じるのはどんな時ですか?」
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「仕事を選ぶ上で大事にしている価値観は?」
採用側の意図
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会社の価値観(例:挑戦・安定・顧客第一・チームワーク)と合うか
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評価制度や働き方と、大きなギャップが生まれないか
準備のポイント
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過去の仕事で「楽しかった場面」「しんどかった場面」を書き出し、
共通するキーワード(例:裁量/安定/数字/顧客/チーム)を見つける -
企業HPの「バリュー」「ミッション」と、自分のキーワードの共通点を探す
3. コミュニケーション能力
よく聞かれる質問
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「チームで意見がぶつかった時、どうしましたか?」
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「上司や後輩とうまくいかなかった経験は?」
採用側の意図
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トラブル時に感情的にならないか
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相手の立場を想像できるか
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チームに溶け込めそうか
準備のポイント
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「対立→対話→妥協点・新しい案→結果」という流れのエピソードを用意
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自分の正しさを主張する話ではなく、
相手の意見も尊重した上で前に進めた話を選ぶ
4. 実務能力
よく聞かれる質問
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「これまでのご経験の中で、最も成果を出した仕事は?」
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「この職種で必要な能力は何だと思いますか?」
採用側の意図
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「応募ポジションでちゃんと戦力になりそうか」
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スキルや知識を自分の言葉で説明できるか
準備のポイント
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「どんな業務を」「どのくらいの量」「どのレベルで」「どれくらいの期間」行ってきたかを数字で整理
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「そのスキルを、御社の仕事でどう活かすか」までセットで説明できるようにする
5. 向上心・成長意欲
よく聞かれる質問
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「最近学んでいること・意識していることはありますか?」
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「5年後・10年後はどんな仕事をしていたいですか?」
採用側の意図
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変化の大きい環境で、学び続けられる人か
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会社の成長と、自分の成長の方向が近いか
準備のポイント
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業務外で取り組んでいる勉強やインプット(本・資格・勉強会など)を整理
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「なぜそれを学んでいるのか」「今後のキャリアとどうつながるのか」を説明できるようにする
6. 責任感
よく聞かれる質問
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「これまでで一番大きな失敗は?」
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「その時、どのように対応しましたか?」
採用側の意図
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トラブル時に他責にせず、自分ごととして動けるか
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ミスから学び、同じ失敗を繰り返さない人か
(失敗談の話し方は後の章で詳しく解説します)
7. 協調性・チーム適性
よく聞かれる質問
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「周囲からどんな人だと言われますか?」
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「チームワークで意識していることは?」
採用側の意図
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既存メンバーと摩擦なくやっていけそうか
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個人プレーに偏りすぎないか
準備のポイント
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他者からのフィードバック(360度評価・上司コメントなど)を振り返る
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「自分の強みが、チームにどう貢献してきたか」のエピソードを用意する
評価される「成功体験」の話し方:5W1H+数字+再現性
成功体験の質問は、単に「すごい実績」を知りたいわけではありません。
採用側は、
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目標にどう向き合う人か
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課題をどう見つけ、どう解決していく人か
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そのプロセスが、自社の仕事でも再現できそうか
を見ています。
成功体験はこの順番で話す
おすすめは、次の7ステップです。
①【結論】何を達成したか(一言で)
②【状況】いつ・どんな状況での話か
③【役割】自分はどんな立場だったか
④【課題】何が問題・目標だったか
⑤【行動】どんな工夫・行動をしたか
⑥【成果】数字や客観的な結果
⑦【学び】そこから何を学び、今後どう活かすか
例(イメージ)
「前職では◯◯の新規案件獲得プロジェクトで、3ヶ月で売上を120%に伸ばした経験があります(結論)。
当時、既存顧客への依存度が高く、新規開拓が進んでいないという課題がありました(状況・課題)。
私は営業担当3名のリーダーとして、新規開拓の方針設計と実行管理を担当しました(役割)。
具体的には、ターゲット業界を2つに絞り込み、トークスクリプトと提案資料を作り直し、週次で商談内容を共有・改善しました(行動)。
その結果、3ヶ月で新規商談数は1.5倍、売上は120%まで伸ばすことができました(成果)。
この経験から、数字を見ながら小さな改善を積み重ねる重要性を学び、御社でも同じ姿勢で成果に貢献したいと考えています(学び)。」
ポイントは、自慢話で終わらせず「再現性」と「学び」まで語ることです。
「失敗談」は4つの力を示すチャンスに変える
一方で、多くの人が苦手意識を持つのが「失敗談」です。
ですが、採用側が見ているのは
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どれだけ大きな失敗をしたか
ではなく -
失敗にどう向き合い、何を学んだか
です。
失敗談で評価される4つの力
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問題解決力
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忍耐力
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分析力
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状況適応力
これらが伝わるように話せれば、失敗談はむしろプラス評価のネタになります。
失敗談の5ステップ構成
①【失敗】どんな失敗だったか
②【原因】なぜそうなったのか(自分の要因も含めて)
③【対応】その時どうリカバーしたか
④【学び】そこから何を学んだか
⑤【成長】それ以降、どう行動が変わり、今はどうなっているか
NGな失敗談の例
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仕事に関係のない失敗だけ(学生時代の武勇伝など)
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重大なコンプライアンス違反など、リスクが高すぎる話
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「寝坊して納期に遅れました」など、社会人としての基本欠如
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上司や会社のせいにして終わる話
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「失敗したことがありません」と答える
選ぶべきなのは、
当時は痛い経験だったが、それをきっかけに行動が変わったエピソード
です。
不採用理由ランキングから逆算する面接対策
転職エージェントGeeklyが公開している
「面接で不採用にした理由ランキング」では、上位は次のような結果です。Geekly Review
1位:スキル不足
2位:実務経験が足りない
3位:コミュニケーション能力の不足
4位:企業文化・社風とのミスマッチ
5位:やる気・熱意が感じられない
1. スキル・経験不足への向き合い方
「足りないもの」は、正直に向き合うしかありません。
ただし、足りないこと=即不採用ではありません。
面接官が見ているのは、
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足りない部分を自覚しているか
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それを埋めるために、すでに何をしているか
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いつ頃どのレベルまで到達できそうか
です。
対策
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すでに始めている学習(資格・勉強・アウトプット)を具体的に伝える
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現職で近い業務を任せてもらう工夫をしているなら、その事例を話す
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「◯ヶ月でこのレベルに到達するプラン」を簡単に説明する
2. コミュニケーション不足と判定されるパターン
不採用の「コミュニケーション不足」は、次のようなところから判断されています。
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表情が暗い・声が小さい・目を見て話さない
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質問に対して、答えがズレる・具体例が出てこない
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話が長すぎて、結局何が言いたいのか分からない
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前職の不満・愚痴が多く、他責な印象を与える
対策
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PREP法(結論→理由→具体例→まとめ)など話の型を使って話す練習をする
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ひとつの質問に対し、「30秒/1分/2分」の3パターンで説明してみる
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前職の不満を話す時は、
「その経験から何を学び、次はどうしたいのか」をセットで伝える
3. 文化・社風とのミスマッチを防ぐ
「スキルはあるのに落ちる」ケースの多くは、文化・価値観のミスマッチです。
対策
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企業HPの「バリュー」「ミッション」「社員インタビュー」をチェックし、
よく出てくるキーワードをメモする(例:挑戦/安定/スピード/チームワーク など) -
自分の経験から、そのキーワードに近いエピソードを探し、
志望動機や自己PRに組み込む -
転職理由と志望動機に、一貫性を持たせる
(「なぜ辞めたいのか」と「なぜここで働きたいのか」が矛盾しないようにする)Geekly
面接前日に見直したい「合格チェックリスト」
最後に、面接前日の見直し用にチェックリストをまとめます。
1. 第一印象・マナー
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スーツ・服装・髪型・靴は「清潔感」があるか
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最初の「◯◯と申します。本日はよろしくお願いいたします。」を
明るい声で言えるか -
姿勢は伸びているか、目を見て話せているか
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カバン・書類の出し方など、基本的なマナーに不安はないか
2. 話す内容の一貫性
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職務経歴書と口頭の説明に矛盾がないか
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転職理由 → 志望動機 → キャリアプランが「一本のストーリー」になっているか
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成功体験・失敗談を
「結論→状況→役割→課題→行動→結果→学び」の流れで話せるか
3. 企業との接点
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その会社を志望する理由を、「事業」「文化」「キャリア」の3軸で説明できるか
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「前職の経験を、御社の○○の業務でこう活かしたい」と具体的に言えるか
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逆質問を最低3つ用意しているか
(求人票やHPを読めば分かる内容は避ける)
まとめ:完璧さより「一緒に成長できる人」を伝える
改めてまとめると、採用側が面接で見ているのは、
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今のスキル・経験だけでなく
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人柄・価値観・成長意欲・責任感・協調性といった人物面
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そして何より、
「この人と一緒に働きたいか」「チームに迎えたいと思えるか」
という点です。リクナビNEXT+1
そのために応募者側ができることは、
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評価軸(第一印象・人物面)を理解したうえで、
顔つき・声のトーン・姿勢・話す順番といった「見せ方」を整える -
成功体験・失敗談を、
ストーリーと学び・再現性が伝わる形で準備する -
不採用理由ランキングで挙がるポイントを、
事前に一つずつ潰しておく
ことです。
今日からできる3ステップ(アクションプラン)
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成功体験を2つ、失敗談を1つ選び、
本記事のフォーマットに沿って紙に書き出す -
志望企業ごとに、
「求める人物像・価値観キーワード」を3つメモし、
それぞれに対応する自分のエピソードを紐づける -
鏡やスマホのカメラを使って、
「自己紹介」「志望動機」を声に出して録画し、
表情・姿勢・話す速さをチェックする


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